メタ認知の分類
J.H.Flavell
認知的営みのモニタリングを構成している要素
メタ認知的知識 … 人や認知的課題、目標、行為、経験などと関係ある知識
メタ認知的経験 … 認知的営みに伴う意識的な、認知的ないし感情的経験
認知的目標 … 認知的営みの目的
認知的行為 … 目標を達成するために行われる行為
J.Garofalo and F.K.Lester (1985)
Cognitive-metacognitive framework
Orientation:問題の評価と理解に関する方略的ふるまい
A.方略の理解
B.情報、条件の解析
C.課題についての精通の評価
D.最初のそしてその次の表現
E.成功の難しさと機会のレベルの評価
Organization:行動の計画と選択
A.目標(sub goal)と途中の目標
B.包括的な計画
C.(包括的な計画を実行するための)局所的な計画
Execution:計画に従うためのふるまいの制御
A.局所的な活動の実行
B.局所的または包括的な計画の進行と監視
C.代償の決心(例えば速さと正確さ、エレガントの度合い)
Verification:decisions made と実行した計画の評価
A.Orientation と Organization の評価
1.表現の適切さ
2.組織化された決心の適切さ
3.局所的計画と包括的計画の一貫性
4.包括的計画とゴールとの一貫性
B.Execution の評価
1.活動の実行の適切さ
2.行動と計画の一貫性
3.局所的な結果と計画、問題の条件との一貫性
4.最終的な結果と問題の条件との一貫性
重松 敬一 (1995)
(1)メタ認知的知識(メタ知識)… 認知作用の状態を判断するために蓄えられた、環境、課題、自己、方略についての知識。
@ 環境に関するメタ知識: 環境の状態が認知作用にどのように影響するかに関する知識。
A 課題に関するメタ知識: 課題の本性が、認知作用にどのように影響するかに関する知識。
B 自己に関するメタ知識: 自己の技能、能力が、認知作用にどのように影響するかに関する知識。
C 方略に監視するメタ知識: 認知作用をよくするための方略に関する知識。
(2)メタ認知的技能(メタ技能)… メタ知識に照らして認知作用を直接的に調整するモニター、自己評価、コントロールの技能。
@ モニターに関するメタ技能: 認知作用の進行状態を直接的にチェックする技能。
A 自己評価に関するメタ技能: 認知作用の結果をメタ知識と照合して直接的に評価する技能。
B コントロールに関するメタ技能: 自己評価にもとづいて認知作用を直接的に制御する技能。
清水 美憲 (1997)
「わかっていないこと」がわかるというできごとは、「メタ認知的経験」と呼ばれる。
「メタ認知的知識」… 自分の認知過程についての知識 → 人・課題・方略などに関して
「メタ認知的活動」… 自分の認知過程を監視・統御する活動
→ 監視(モニタリング)と統御(コントロール)
<内在化の問題>
重松 敬一
「子どものメタ認知は、広義の教師のもつメタ認知が内在化し、蓄えられる。」
→ 内在化の問題(過程)
長水 壽寛
(認知的)経験・外的環境 (← 教師の影響)
↓ ↓
意識化 ↓ 内面化 ← ←
↓
・価値観
・信 念 … メタ認知的知識(経験)の一部
モニターすることでいろいろな情報を得る。
(学習者)
メタ認知 →→→→→ 数学的活動(認知的活動) → 数学的活動の向上 →
(コントロール) (モニター) (自己評価)
メタ認知の定着