メタ認知
キーワード:メタ認知、内なる教師、メンタルモデル、内発的動機づけ、知的好奇心、
先行オーガナイザー、原因帰属、相互作用、道具としての数学
メタ認知の定義
J.H.Flavell (1976)
「メタ認知とはその日との認知過程かつその成果、またそれらに関連するすべての事についての知識を指している。… またメタ認知とは認知的対象に関連して、通常はある具体的な目標や目的のあるところで行われる能動的なモニタリングと、その結果としての認知過程の調整や調和的遂行 (orchestration) である。」
R.Skemp (1979)
「reflective intelligence(反省的思考)」… 意識的な観察についてのメンタルプロセスを
作る能力。
J.Piaget (1976)
「reflexive abstraction(反省的抽象化)」… 知識の抜き取り、再構成および強化のメカ
ニズムであり、メタ認知過程とおなじであ
る。
D.Klahr (1974)
「むしろ私達は、(a) 事柄それ自体についての知識、(b) その適切な使用に関する知識 というように、知識を二つの形式に分けて考えるべきではないか。」
清水 美憲 (1997)
「メタ認知(metacognition)は、自分の認知過程そのものを対象とする認知的いとなみを指します。… 問題解決過程における「推進力」、あるいは逆に問題解決活動を阻害する高次の要因として、その役割が明らかにされてきました。」
重松 敬一 (1995)
「図に表したり、計算ができるなどの表現・処理の知識はもっていても、それをいつ、どこで、どのように使えばよいのかといった、表現・知識の処理をモニターしたり、コントロールしたりする、いわばもう一人の自分がうまく働かなかったために解けなかった…。…もう一人の自分は、メタ認知(内なる教師)といわれています。」
R.R.Skemp
「既知の決まりきった適用によっては答えられないとき、今もっている方法について、新しい結合あるいは修正を要することになる … これを効果的に行なうには、その人のレパートリーの中で、方法についての自覚的な意識性を必要とするし、正しい結合や修正を試みようとする努力を必要とする。反省的知能の受容器と効果器の両側面が、この点でかかわっている。」
小高 俊夫
「次のようなスキーマの作用があると考えた。
@ 個々の数学的事実を明らかにする時のスキーマ
A 広域的な基本的概念を確立するときのスキーマ
B それらを運用制御するときのメタ的なスキーマ
B は認知していることを認知するという心のはたらきである。」